森口彩乃 最低。 果てしなく続くかのような日常に耐えきれず、新しい世界の扉を開く平凡な主婦。
折り合いの悪い家族から逃げるように上京、都会でやっと居場所を見つけて多忙な日々を送る専門学生。
奔放な母親に振り回されつつも、絵を描いている時だけ自由になれる女子高生。
境遇も年齢も性格も異なる3人の女。彼女たちに共通するのは、〈AV〉と関わりを持っていること。
ある者は生活を変えるきっかけをつかむため、ある者は自分の存在を実感するための唯一の手段としてAV女優の道を歩み、またある者は、母親がAV女優だった過去を知って思い悩む。
性を商品として無造作に扱う、あまりにも即物的な世界。
そこに正面からぶつかってもがく彼女たちの運命は、他者との出会いや一番近くにいる人たちとのふれあいを通じて静かに動き始める……。