かたせ梨乃 身も心も 脚本家・荒井晴彦の初監督作。外国へ旅立った良介と綾の夫婦、その留守宅を預かるシナリオライター・善彦、その家を訪れたやはり夫婦の友人である麗子。初対面の善彦と麗子のとりとめのない会話から、4人の複雑な関係が露になる。R-18作品。
いまだに“あの時代”の傷をいやせないでいる四人の中年男女。
終わりきれないでいた青春が、また始まる…。
【解説】
「赫い髪の女」「遠雷」「Wの悲劇」「ひとひらの雪」等、数々の名作を生んだ脚本家・荒井晴彦の初監督作品。
やるせなくも、みっともない全共闘世代の自己を、端正なタッチで綴る大人の愛と官能の世界。
奥田瑛二、かたせ梨乃、柄本明、永島暎子らが複雑な関係をもった四人を熱演。性につかまれた人間の哀しみを、壮絶なセックス描写の連続で描きあげ劇場公開時に話題を呼んだ官能話題作。
【ストーリー】
東京から飛行機で小一時間ほど離れた小さな町、友人夫婦が外国へ旅立ったあとの一軒家で、開店休業中のシナリオライター・関谷善彦(柄本明)がひとり辞書の校正を行なっている。この家へ、やはり夫婦の友人である麗子(永島暎子)が東京からやってくる。ほとんど初対面の善彦と麗子の話題は、ひっきょう、留守にしている夫婦、良介(奥田瑛二)と綾(かたせ梨乃)のことに及ぶ。ふたりのとりとめのない会話のあいだから、四人の複雑な関係が次第にあらわれる。善彦は学生運動中に有罪判決を受け入獄し、服役中に親友に恋人を奪われている。その親友が良介であり、善彦の元恋人が綾であった…。
【公開日】1997年10月18日
CAST:奥田瑛二/かたせ梨乃/柄本明/永島暎子/加藤治子/津川雅彦
原作:鈴木貞美(河出文庫『身も心も』より)
監督:荒井晴彦
脚本:荒井晴彦